life · 2026-05-20

健康診断:会社の年1回義務、人間ドック、特定健診、診断書

労働安全衛生法で会社員は年1回の健診が義務、人間ドックは¥30,000-100,000、市区町村の特定健診は40-74歳、診断書は¥3,000-10,000、入社や学校や在留申請に必要なものを整理します。

日本の労働安全衛生法は、会社員(常時雇用者)に年1回の健康診断を義務付けています(労安法第66条)。費用は会社負担です。これに加えて、より詳しい「人間ドック」、40-74歳が対象の生活習慣病スクリーニング「特定健診」、入社や学校や在留申請で必要な「診断書」があります。この記事では会社の定期健診、人間ドック、特定健診、診断書の4つを順に整理します。

1. 会社の定期健康診断(年1回義務)

労働安全衛生法第66条は、常時雇用者(週30時間以上勤務)に対する年1回の健康診断を雇用主の義務として定めています。費用は全額会社負担、診断時間は労働時間に含まれます。

法定健診の項目(最低基準)は次の通りです。

項目内容
既往歴・業務歴問診
自覚症状・他覚症状問診と視診
身長・体重・腹囲・視力・聴力計測
胸部X線撮影
血圧計測
貧血検査血液(赤血球数、ヘモグロビン)
肝機能血液(GOT、GPT、γ-GTP)
血中脂質血液(LDL、HDL、中性脂肪)
血糖血液
尿検査尿(糖、タンパク)
心電図35-40歳以降

実施時期は会社次第で、多くは春の4-5月か入社時と毎年更新です。受診しないと労働安全衛生法違反(従業員側にも義務あり)になり、人事から繰り返し催促されます。

結果通知は1-2週間後に診断書として個人に交付され、再検査が必要な項目は会社の産業医面談と自費精密検査の流れになります。

出典:厚生労働省:労働安全衛生法第66条厚生労働省:健康診断について

2. 人間ドック(自発的な精密検査)

人間ドックは法定健診より詳細な検査で、自費か会社の補助で受けます。一般に年1回、生活習慣病とがんの早期発見が目的です。

費用は3段階に分かれます。日帰り基本コースは¥30,000-60,000(健診、胃カメラかバリウム、大腸内視鏡、腹部エコー、一部CT/MRI)です。1泊2日の高級コースは¥80,000-200,000(脳ドック、PET-CT、全身詳細検査)です。がんドック特化は¥100,000-300,000(PET-CT、特定がんマーカー、遺伝子検査)です。

割引のルートとして、健康保険組合(会社の組合に申請、年間¥10,000-30,000の補助)、自治体(30-40代の住民健診、自治体補助で自己負担¥5,000-15,000)、配偶者の扶養も同等優遇、平日と土曜の差(平日は¥3,000-5,000安い)があります。

人気施設として、聖路加国際病院附属クリニック(東京築地)は¥80,000-150,000で医師水準が高く、東京ミッドタウンクリニックは¥60,000-200,000で対応が丁寧、慶應義塾大学病院は¥50,000-100,000で大学病院の信頼性、その他各地域の総合病院と専門クリニックも豊富です。

予約は1-3か月前が目安で、人気施設は半年待ちのこともあります。

出典:公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会全国健康保険協会:健診補助

3. 特定健診(40-74歳、生活習慣病対策)

特定健診は40-74歳の被保険者と被扶養者を対象に、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常など)の早期発見を目的に、2008年から義務化された健康診断です。

実施主体は2種類に分かれます。会社員(健保組合)は会社の定期健診と一体化し健保組合が費用負担します。自営業(国民健康保険)は市区町村が実施し、自己負担¥500-2,000です。

検査項目は、既往歴と自覚症状の問診、身体計測(身長、体重、腹囲(メタボ判定)、BMI)、血圧、血液検査(脂質、血糖、肝機能)、尿検査、必要時に心電図、眼底検査、貧血検査が加わります。

特定保健指導は、特定健診結果でメタボリックシンドローム該当者と予備軍に分類された人に、市区町村か健保組合が無料で提供する保健指導です(栄養士と保健師の面談、運動指導、6か月のフォロー)。

腹囲の判定基準は男性85cm以上、女性90cm以上に加え、血圧、血糖、脂質のうち2項目に該当でメタボ判定になります。

出典:厚生労働省:特定健診・特定保健指導厚生労働省:標準的な健診・保健指導プログラム

4. 診断書(医師の証明書)

入社、学校、ビザ申請、出国などで必要な「診断書」を整理します。

種類用途費用
一般診断書入社、入学、ビザ申請¥3,000-5,000
健康診断書(英文版)海外留学、海外勤務、ビザ¥5,000-10,000
入院診断書病欠、保険請求¥3,000-7,000
障害認定診断書障害年金、福祉サービス¥5,000-10,000
ワクチン接種証明出国、保育園¥1,000-3,000

取得方法は、かかりつけ医のクリニックか病院に依頼、医師の診察(5-15分)後に発行されます。当日または1-3営業日で受け取れ、英文版は約1週間です。健康保険適用外(自費、領収書あり)です。指定書式(会社や学校の指定)があれば持参します。

ビザ申請用の健康診断(在留資格認定証明書申請時、特定産業の介護など)は法務省指定書式を使い、指定病院(大学病院や政府指定病院)で受診、¥10,000-30,000、結果は2週間後です。

出典:厚生労働省:診断書作成手数料出入国在留管理庁:在留資格認定証明書

5. 産業医面談と再検査の流れ

定期健診で異常値が出た場合、産業医面談と再検査のフローに入ります。

産業医面談は会社内で実施され、健診結果をもとに生活習慣の改善指導が行われます。50人以上の事業場には産業医の選任義務があり、無料で利用できます。

再検査は産業医から指示される場合があり、専門医療機関で精密検査を受けます。費用は健康保険3割負担、検査内容により¥3,000-30,000です。

がんの早期発見には会社健診の項目を超える精密検査(胃カメラ、大腸内視鏡、PET-CTなど)が必要で、40歳以降は人間ドックや任意のがん検診を受けるのが推奨されます。

出典:厚生労働省:産業医制度

6. よくある落とし穴

会社の年1回健診を受けないのは労働安全衛生法違反です。罰則は会社向け(¥500,000以下の罰金)ですが、本人にも将来の健康リスクと産業医面談での説教が待ちます。

特定保健指導を「面倒」と無視するのは危険です。メタボ進行で5-10年後に高血圧、糖尿病、脳卒中になり医療費が大幅に増えます。無料の指導は活用すべきです。

「会社健診で十分」と人間ドックを省くのも誤りです。法定健診は最低基準で、がん、脳、心臓の詳細検査は別途必要、40歳以降は年1回の人間ドックが安全です。

診断書を「当日に取得」と思って当日依頼すると、1-3営業日が標準で、英文版は1週間かかります。急ぎなら病院に事前確認します。

外国人が会社健診のバリウム検査を避けようとするなら、¥5,000-10,000追加で胃カメラ(内視鏡)に変更できる場合があります。

健保組合の人間ドック補助を申請せずに全額自費で受けるのも損です。会社の健保組合に確認すれば、年¥10,000-30,000の補助が出ます。

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