退職・転職手続き:保険・年金・住民税・在留リスク
制度、窓口、書類、期限、費用、完了後の同期を整理します。
日本で退職する時に難しいのは、最終出勤日ではなく、その後 1 か月の健康保険、年金、住民税、失業手当、会社から受け取る書類、入管への届出です。退職日を決める前に流れを作ります。
退職前
期間の定めのない雇用では、民法第 627 条により 2 週間前の申出で退職できる考え方があります。ただし多くの就業規則では 1 か月前の申出を求めます。円満に進めるなら、直属上司へ口頭で伝え、その後に退職届を出します。
可能なら月末退職にすると、社会保険と住民税の処理が分かりやすくなります。最後の 2 から 4 週間で引継ぎ資料、顧客連絡、社用 PC、スマートフォン、社員証、名刺、アクセス権限の返却を整理します。
退職時の書類
会社から受け取る主な書類は 5 つです。離職票、雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書、その年の源泉徴収票、必要に応じた退職証明書です。
離職票はハローワークで失業手当を申請する時に使います。源泉徴収票は次の会社の年末調整、確定申告、在留更新で必要です。1 か月ほど待っても届かない場合は会社人事かハローワークに確認します。
保険と住民税
退職日の翌日から会社の健康保険は使えません。次の会社の社会保険、任意継続、国民健康保険のいずれかを選びます。任意継続は退職後 20 日以内、国民健康保険は 14 日以内が目安です。
任意継続は前の健康保険を最長 2 年続ける制度で、会社負担がなくなるため保険料は全額自己負担です。国民健康保険は前年所得で決まり、退職直後は月 ¥15,000-40,000 ほどになることがあります。前年所得が高い人は任意継続、所得が低い人や扶養家族が多い人は国保が安いことがあるため、市区町村で見積もりを出して比べます。
厚生年金も退職翌日から止まります。次の会社に入るまでは国民年金へ切り替え、2026 年度は月 ¥17,510 を自分で払います。健康保険の切替と同じ日に市区町村で済ませると漏れにくいです。
住民税は退職月で扱いが変わります。6月から12月退職では普通徴収に切り替わることが多く、1月から5月退職では残額が最後の給与から一括徴収されることがあります。年収 ¥5,000,000 なら最後の給与から ¥20,000-100,000 ほど余計に引かれることがあり、次の会社が決まっていれば特別徴収切替申請を依頼します。
失業手当
失業手当はハローワークで手続きします。会社都合なら 7 日の待期後に給付が始まりやすく、自己都合退職では 7 日に加えて 2 か月程度の給付制限が付くことがあります。
給付額は直近 6 か月の賃金、年齢、退職理由で決まり、給付日数は 90 日から 330 日の範囲です。4 週間ごとの失業認定日には求職活動の報告が必要です。
外国人の届出
就労資格を持つ外国人は、退職や転職で契約機関が変わった時、14 日以内に出入国在留管理庁へ届け出ます。次の会社が決まっている場合は、退職と新入社の届出を続けて行えます。
求職期間が 3 か月以上になると、在留資格との関係が問題になります。数か月単位で空く場合は、出入国在留管理庁で特定活動への変更などが必要か確認します。
届出を忘れると、次回の在留更新で所属機関の変更履歴を確認された時に不利になります。届出義務違反には最高 ¥200,000 の過料があるため、退職日を決めた時点でオンライン届出の予定をカレンダーに入れます。
注意点
退職届をメールだけで済ませると、意思表示や退職日の確認で争いになりやすいです。直属上司へ口頭で伝え、退職届を紙または社内ルールの方法で残します。
離職票が 1 か月たっても届かない時は、前職の人事かハローワークへ確認します。自己都合退職では 7日の待期に加えて 2 か月ほど給付制限があるため、すぐ失業手当が入る前提で家計を組まないようにします。
健康保険の切替を忘れると、14日または20日の期限後に追加入りし、医療費をいったん 10割払うことがあります。1-5月退職では住民税の一括徴収で最後の手取りがほぼ残らない場合もあります。
用語
- 退職届: 退職の意思を示す書面
- 離職票: 失業手当申請に使う書類
- 任意継続: 前の会社の健康保険を続ける制度
- 特別徴収: 給与からの住民税天引き
- ハローワーク: 公共職業安定所