ガイド 公開 7 分で読めます

ドラッグストアの日焼け止め:SPFとPA、吸収剤と散乱剤、塗る量

表示上限はSPF50+とPA++++。顔1回の目安は500円硬貨大で、2-3時間ごとに塗り直す。石鹸で落ちるタイプとクレンジングが要るタイプの違い、免税品は国内で開封できない話まで。

ARTICLE MAP 記事マップ
特集日本の夏の旅行特集猛暑、日焼け対策、熱中症、受診、交通、気温で組み直す街の動線。全 13 本

7月と8月は年間で紫外線が最も強い時期です。気象庁の観測では、札幌を除く主要地点で正午をはさむ数時間のUVインデックスが8を超えます。世界保健機関の区分では「非常に強い」に当たり、無防備で3時間屋外を歩けば皮膚は明らかに赤くなります。ドラッグストアの売り場は夏になると店頭に出るほど品数が多く、問題は入手ではなく選択になります。

SPFとPAは別の紫外線に対応する

パッケージには必ず2つの数字が並びますが、守る対象が違います。SPFはUVBで、日焼けと赤みに対応します。数値は「塗らない場合に赤くなり始めるまでの時間」を何倍に延ばせるかの目安で、おおむね20-25分にSPF値を掛けて見ます。PAはUVAで、黒化と光老化に対応します。UVAはガラスと薄い雲を通るため、曇天でも車内でも降り注いでいます。

国内表示の上限はSPF50+とPA++++で、これより上の数字はありません。SPF100と書かれた製品は国内基準のものではありません。選び方はその日の行程で決めます。終日屋外、海、山ならSPF50+とPA++++、屋内中心に短い移動が加わる程度ならSPF30前後とPA+++で足ります。数値を上げるより、むらなく塗るほうが効きます。

出典:気象庁:紫外線情報

吸収剤か散乱剤かで、使用感と落とし方が変わる

数値を決めたら次の分岐は防御の仕組みで、これが塗り心地と夜の落とし方を決めます。

紫外線吸収剤は紫外線を熱などに変えて逃がします。軽く、白浮きせず、防御力も高い一方、敏感肌には刺激になることがあります。紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛で反射させます。負担は小さいものの、白浮きしやすく質感は重めです。パッケージに「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」とあれば散乱剤のみの処方で、敏感肌と子どもはここから見ます。

落とし方は処方に従います。「石鹸で落ちる」と書かれていれば通常の洗顔料で落ちます。書かれていないもの、特にウォータープルーフ表示のあるものはクレンジングが必要で、残ると肌トラブルになります。旅行でクレンジングを持たないなら、石鹸で落ちるタイプを買うほうが手間がありません。ファンケルのサンガード50+は吸収剤不使用とウォータープルーフの組み合わせ、ママバターのUVバリア モイストミルクは敏感肌向けで、どちらもドラッグストアにあります。

剤型は使う場面で選ぶ

処方が決まると、同じブランドの中で剤型が4-5種類に分かれます。価格差は小さく、違いは使う場面です。

剤型向いている場面
ジェル広い面積に手早く伸ばす。最も軽いが防御力はやや落ちる
ミルク持ちが良く、海や終日屋外の主力
クリーム最も重い。乾燥肌と高い防御が必要な場面
スプレー頭皮、背中、脚の塗り直し。1層目には使わない
スティック化粧を崩さず顔に塗り直す。携帯用

実際の組み合わせは、出かける前にミルクかジェルで下地を作り、鞄にスプレーかスティックを入れて塗り直す形です。スプレーだけを1層目にすると量が足りず、筋状の塗り残しができます。

量と塗り直しで結果が決まる

剤型を選んでも、多くの人は量で失敗します。表示のSPFとPAは1平方センチメートルあたり2mgの塗布量で測定した値です。実際に塗る量はその半分程度のことが多く、防御力もおおよそ半分になります。顔1回の目安は500円硬貨大で、額、両頬、鼻、あごに置いてから伸ばすと、一度に出して塗り広げるよりむらが減ります。

塗り直しの間隔は2-3時間です。ウォータープルーフは耐水耐汗であって不要という意味ではなく、泳ぐ、汗を拭く、タオルで顔を拭う動作で一層落ちます。日本の夏は発汗量が多いので、2時間ごとにコンビニか商業施設に入り、体を冷やすついでに塗り直すのが現実的です。耳、うなじ、手の甲、足の甲が塗り残しの多い4か所で、サンダルで一日歩いた後の足の甲の日焼けは、翌日靴を履けないほど痛むことがあります。

買う場所と、免税の落とし穴

使い方が固まったら購入です。駅周辺と商店街のドラッグストアはマツモトキヨシ、ウエルシア、サンドラッグ、ココカラファイン、ドン・キホーテで開架品がほぼ重なり、21時や22時まで開く店も多く、価格差は数十円の水準です。

開架のビオレUVは60-90gで¥700-1,200前後、アクアリッチが軽い使用感、アスリズムが高い耐汗性の系列です。上はアネッサで、パーフェクトUV スキンケアミルク N 60mLの参考小売価格が¥3,058。中間価格帯にスキンアクア、アリィー、ニベアサンが並びます。

免税には直感に反する規則があります。日焼け止めは消耗品なので、同一日に同一店舗で¥5,000以上50万円以下なら免税の対象ですが、免税で買った消耗品は専用の袋で封をされ、国内では開封して使えません。開封すると出国時に税関で消費税を徴収されます。旅行中に使う1本は税込価格で普通に買い、持ち帰る分だけ免税カウンターに回します。2026年11月1日からは店頭でいったん税込で支払い、出国時の税関確認後に返金される方式に変わりますが、この夏はまだ店頭免税です。

出典:観光庁:消費税免税制度の概要観光庁:リファンド方式について

繰り返し起きている失敗

曇りの日と屋内で塗らないのが一つ目です。UVAは雲とガラスを通るため、曇天のUVA量は晴天と大きく変わらず、新幹線の窓側に3時間座れば当たり続けます。

日焼け止めだけで済ませるのが二つ目です。日傘は性別を問わず使われますが、コンビニのビニール傘は紫外線を通すのでUVカット表示のあるものを選びます。帽子と薄手の長袖の効果は、塗ることに劣りません。

日焼け後の対応が三つ目です。日焼けは火傷なので、当日はまず冷水か保冷剤で冷やし、その後に化粧水で水分を補います。水ぶくれができた場合や広い範囲が熱を持つ場合は皮膚科です。ドラッグストアのアフターサン製品やアロエジェルは和らげますが、治療ではありません。

四つ目は子どもへの使用量です。乳幼児は物理的に覆うことと散乱剤のみの処方を優先し、「ベビー」「キッズ」表示の製品は処方が穏やかで落としやすくなっています。

紫外線ではなく熱そのものへの対応は熱中症対策、行程全体は日本の夏の旅行にあります。

用語

  • 紫外線吸収剤: 紫外線を熱などに変換する成分
  • 紫外線散乱剤: 酸化チタンや酸化亜鉛で紫外線を反射する成分
  • ノンケミカル: 紫外線吸収剤を含まない処方
  • ウォータープルーフ: 耐水耐汗の表示。塗り直しは必要
  • UVカット: 衣類や傘の紫外線遮蔽を示す表示

参考情報